医療機関では広告はできないと考えている方もまだおるようです。
全ての広告が禁止されていると認識している方々もおります。
広告を行うことはできます。
しかし、その広告の内容は医師法で規制を受けています。
現在は、厚生労働省のホームページにもあるように広告ガイドラインに記載されています。
ガイドライン自体は難しくないので、是非目を通していただきたいと思います。
下にダウンロードボタンを用意しておきます。
自由にダウンロードしてください。
厚生労働省は、WEBサイトの監視として外部委託をしています。
その名も、医療機関ネットパトロール!
内部通報、密告所のようなものでしょうか。
自分たちでサイトをチェックするには、コストがかかり過ぎるので、密告制度にすることで、取り締まろうとしています。
厚生労働省が運営はしていますが、実際の稼働は某大手コンサルティング会社です。
この通報システムをどう使っているのかは、明らかになっていませんが、競争相手を潰すには一番簡単な方法です。
同業者で、あそこのクリニックが目立っているなあということで、通報する人もいるかもしれません。
目立つとやられるという医療業界ならではのシステムですね。
医療機関には自由競争という概念はありません。封建制度が残っています。
江戸時代の五人組のような封建制度です。
さて、このようなシステムで通報された場合、どのようなところが規制に引っかかってくるのでしょうか?
医療機関向けのガイドラインでは以下の内容は基本事項として禁止されています。
(ⅰ) 比較優良広告
(ⅱ) 誇大広告
(ⅲ) 公序良俗に反する内容の広告
(ⅳ) 患者その他の者の主観又は伝聞に基づく、治療等の内容又は効果に関する
体験談の広告
(ⅴ) 治療等の内容又は効果について、患者等を誤認させるおそれがある
治療等の前又は後の写真等の広告
他にも上記事項を拡大解釈することで、禁止となる場合もあります。
では何を書けばいいのかということが、重要です。
それを先に教えてくれればいいという方もおられると思います。
ここでは特に禁止されていることをトピック的に紹介したいと思います。
施術前、施術後の紹介です。
これは通常写真やレントゲン写真で紹介したり、施術患者の体験談などで紹介されていますが、単一の患者の紹介であり、医療的な客観性が見られないということで掲載できません。
アフターだけ掲載する方法も過去認められていましたが、現在ではアフターも写真の掲載はできません。
症例の個別写真は、掲載できません。治療効果を示しており、患者への誤解を生む可能性があるため、ホームページには掲載できません。
症例紹介ではなく、施術説明、手術説明として写真を入れることに関しては、解釈が分かれます。
最高の医療、最新の設備、最先端の医療技術、最良の治療法、地域一番などの表記はできません。
医療機関の文書の中で使いがちな「最良の医療を提供する」というような表現は、客観的に最良かどうかを証明することができないので、記載できません。
最新も同様に使用できないです。
医療理念を作成する場合は、ホームページに掲載することが当たり前であると言えるので、理念を作成する際も気をつけなくてはなりません。
過去に指摘された事例として、外部団体に「○○部門 渋谷区1位」というような表彰を受けた物を、自医院のホームページで掲載することもできません。
記載できないことは多くあります。
キャンペーンは、もうだめですね。
モニター価格という表記も難しいです。
価格面に関しては、通常料金であれば表記可能ですが、期間限定の価格は表記できません。
自費診療での価格記載は必ずしないといけないのですが、その際に期間限定価格はキャンペーンに該当にしますので記載できません。
必ず通常料金としての記載が求められます。
価格については理解されている方も多くおられると思いますので、詳細は記載しません。
他に記載できない言葉として、
「アンチエイジング」などの言葉は記載しないでください。
これは、googleのリスティングなどで弾かれます。
厚生労働省対策と同時に、ネット広告会社対策も同時に考えて記載していただきたいと思います。
もし、広告規制を守らないとどうなるのかというのは大変興味深い内容です。
保健所の医療機関への定期的な立ち入り検査が行われていますが、この際、該当医療機関のホームページは全てプリントアウトされた形で訪れます。
指摘事項を伝えられて、修正を推奨されます。
他には、突然郵送物でホームページの広告規制に抵触している部分を伝えられます。
1ヶ月を目安に修正するように連絡が入ります。
このように指摘するように要請を受けます。もし、これに反するとどうなるか、行政指導等の手順を踏み、ホームページを閉鎖というような形になるでしょうか。
私のクライアントで閉鎖ということはありません。
保険所は、医療機関の開設に関しての許可を出していますが(正確には届出)、閉鎖に向けた動きになります。
医療機関が行政機関に反抗的な態度を繰り返した場合は、予想もできないことが起こりますので、やはり広告規制は守りましょう。